オカメインコとの出会い

2017年3月6日月曜日

t f B! P L
私、50代前半の専業主婦です。
夫、同級生のサラリーマンです。
長子はすでに独立し、結婚しています。
末子は、現在大学生。
近くで一人暮らしをしています。
 
そして……
オカメインコの女の子。
P姫ちゃん、もうすぐ3歳。
オカメインコの男の子。
Q太郎くん、2歳です。
このインコたちが、我が家では、ものすごい存在感なのです。
 
最近は、ペットショップで普通に見かけるようになった、このオカメインコですが、昔は結構珍しいインコだったと記憶しています。
 
体長は約30センチ程度、(半分ぐらいはしっぽです)原種はグレーですが、我が家の子たちは、ルチノー種と言って、品種改良された黄色い体をしています。(ほかにもアルビノという白い子、シナモン(グレー系)パステルなど、今ではたくさんの種類の子がいます。)
 
特徴的なことは、冠羽(とさか)があること、そして何よりも、名前の由来にもなった、おかめちゃんなほっぺにあります。
ほほの部分だけが、頬紅を塗ったように、赤い(オレンジ)のです。
私は、この、ルチノー種が好きなのです。
 
もう35年ほど前になりますが、私の実家では、このオカメインコを飼っていました。
家族全員でかわいがり、ほとんど放し飼い状態でした。
肩に乗り、手に乗り、いつもそばにいました。
一緒に食事をし、一緒に昼寝をし、中学生だった私は、家にいる時間のほとんどを、このインコとともに過ごしました。
 
当時、中学校を転校し、引っ越してきたばかりで友達の少なかった私にとって、この子は本当にきょうだいのような、かけがえのない存在でした。
 
ところがある夏の日。
 
その放し飼いが災いして、慣れ親しんだ油断から、父親が、その子を逃がしてしまいます。
ついうっかり、窓を開けてしまったのです。
 
インコは、(おそらく風が急に入ってきたので、びっくりした弾みで、窓の外に飛び出してしまったのです。)マンションの6階から、初めて見る空へ飛び出してしまいました。
きっと本能的には、飛べる能力があるので、飛び始めたらもう、止まらなかったのでしょう。
父も母も、すぐに階下に出て、インコが飛んで行った方向へ走って追いかけて行きましたが、見つからなかったのです。
 
それから何日も何日も、両親はインコを探し続けましたが、そのインコは見つかりませんでした。
ただ、一人だけ、近所の団地で、黄色いインコを見かけた、という人がいたようです。
でも何度聞いても、見たけど行先は知らないと言われたそうです。
両親は、もしかしたら、その人が、あのインコを見つけて保護してくれたけれど、あまりにかわいいので、返してくれないのかも知れない、と言っていました。
 
そして、あのインコが生きているなら、かわいがってもらえているなら、もう諦めよう、と私たち家族は苦渋の決断をしました。
 
インコが居なくなってからというもの、我が家は、本当に火が消えたようになり、会話も減り、笑い声も聞こえなくなりました。
情けない話ですが、私は毎晩、泣き暮らしました。
 
あんな小さなインコがもたらした大きな幸福と、その子がいなくなった時の計り知れない大きな失感。
それは、私の記憶に強く残りました。
今でも、思い出すと胸が痛むのです。
 
実家では、その後、しばらくして、また同じ種類のインコを見つけて、家族の一員として迎えました。
あの子を忘れたわけではないけれど、あの子が愛おし過ぎて、また、インコと一緒に暮らす幸せを感じたかったからです。
 
そんな記憶があるので、私はずっと、オカメインコを飼いたいと思っていました。
でも、子育てや、仕事に追われ、とても飼える状態ではなかったので、ずっと実現できず、ペットショップを覗いては、オカメインコに会いに行っていました。
 
もしかしたら、飼おうと思ったら、飼えたかもしれません。
でも、昔のあの喪失感を思い出すと、なかなか、踏み切れませんでした。
 
子供たちも成長し、家を出たのをきっかけに、オカメインコをお迎えする決心がついたのが、2年半前の事です。

夫が、オカメインコを飼ってもいいよ、見に行こう。と誘ってくれました。

それでもまだ不安でした。

ただ、ペットショップで、かわいいなと眺めているのと、実際に一緒に暮らす事は大違いなのです。

それでも、夫という人は、もう行動を起こす、と決めたら決して後には退かないのです。

うじうじ悩む私の手を引っ張って、ペットショップに入っていきました。


 
 
 
 
 
 
 
 
 

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